思春期心理相談
(五稜会病院)

★ 思春期とは    

S.フロイト
 「思春期はエディプス期の再現する時期である。」
 幼児期と思春期の2つの発達段階の共通点を指摘

M.マーラー、P.ブロス
 「人は2-3歳の頃と10代の初めと二度、母子分離を図る関所を通る」

J.F.マスターソン
  上記の捉え方が臨床的にも妥当であることを、境界型人格障害の治療で明らかにする。


思春期の問題

● メソポタミアの粘土板
    「いまどきの若者の言葉はなっていない」と書かれている。

● 林 子平 『父兄訓』  江戸時代の育児書
    1314歳にもなると悪業を見習って増長するので「子弟は苦労の種」
 
        あるいは「子弟にあきはてたり」「子弟を持ちて実に安堵する父兄なし」

思春期 (広辞苑)
  二次性徴があらわれ、生殖可能となる時期。1112歳〜1617歳頃までの時期。
青春期。としごろ。春機発動期(南山堂医学大辞典では思春期は春機発動期で説明)。

<思春期・青年期のお子さんをもつご家庭へ>

  最近、当院では、思春期・青年期におけるお子さんの「不登校」「引きこもり」「摂食障害」 「発達障害、アスペルガー症候群」についてのご相談をお受けすることが増えています。これまで、これらのお悩みについて、ご本人とご家族と個別にご相談を行っておりましたが、皆様が多くの共通する悩みや不安を 感じておられるようです。
  当院では個別での心理療法・カウンセリング以外に思春期を対象としたデイケアミニグル ープ 「ティアラ」と主に入院中に行っている思春期10代meeting「アネモネ」を行っています。詳しくは主治医及びスタッフにお尋ね下さい。

 <参考資料>

★ 青年の治療を引き受ける前に 青木省三(岡山大学)

  引き受けない方が良い患者を「患者」にしてしまったり、短期間の浅い介入が望ましい青年に長期の精神療法を行うことが、臨床の場面ではしばしばみられる。
  治療を引き受ける前にまず留意すべき点がある。

 1. 青年の呈しているのは問題(problem)かあるいは病気(disease)か

問題行動、不登校など
 事例(case)と疾病(illness)との鑑別
学校・家族との連携 ケースワーク
「門前払い」「たらい回し」では患者家族の苦悩が深まるばかり
 問題の説明、資料、情報提供、当面の応急手当、どの施設・誰に紹介するのが良いか

 2. 誰が受診を思いついたのか

一般に青年自身が希望して受診することは少ない。
  渋々受診した青年の不本意さを充分に汲み取る。
一緒に受診した両親の受診希望とも限らない。
  教師に勧められ、「母親の責任」と責められる場合もあり、この際は母親の不本意さを汲み取る。

 3. 何故今、受診したのか

  直前の問題の解決ばかり目に向けると、長期間持続している問題を見過ごしたり、性急に入院させることで解決しようとして、却って家族との関係を一層悪くする場がある。
  患者の持つ短期的・急性の問題と長期的・慢性の問題を区別する。

 4. 誰が問題をどのように理解しているのか

周囲の人、例えば父母、祖父母、学校側の中での問題の理解が異なると、緊張の場あるいは相互不信の状態になりやすい。
  各々の間で、青年の問題に対する理解が異なることが、青年の問題を二次的に複雑にする。

 5. 青年に関わっている人は誰か

今まで熱心に関わってきた教師、養護教諭、スクールカウンエラーが青年が精神科に受診してから手を引いてしまわないように注意

 6. そして何を期待しているのか

患者家族の治療や援助への期待がしばしば不合理で非現実的なことがある。
治療者の出来ることの限界を明確に伝えることが重要

 7. 治療や援助を考える際の原則について

@青年は利用できる普通の人や場、機会を利用して元気になる。
A青年の相談を受けている人を援助することによって青年が元気になる。
 青年の周りにいる準専門家を援助することによって間接的に支える。
  準専門家は精神科の助言を得ることによって安心し、ゆとりがもてる。
B青年を直接診療する。
  出来る限り短期間の浅い介入。青年の自己決定を最大限に尊重する。

      ストレスケア・思春期病棟   

 

トピックス 
  2002年3月 厚生労働省・日本精神科病院協会主催 「こころの健康づくり対策」 思春期精神保健対策専門研修会 に心理:佐藤先生、副院長:中島公博が 参加。3日間の研修を行ってきました。11月、12月には小林清樹医師、長尾心理士が研修会に参加しました。 小林医師は五稜会病院で経験した症例を呈示しました。
2003年10月 思春期研修会(東京)に高橋心理士が参加。
2004年11月 田中稜一院長が思春期研修会(東京)で「思春期精神保健ネットワーク作りの実践」というテーマで講演
2005年、2006年 思春期精神保健対策研修会 心理石見みずほ、PSW櫻井優子参加。
2007年 中村由美子医師(日本児童青年期精神医学会会員)着任。
   思春期精神保健対策研修会 佐野 樹医師、安部奈央子看護師参加。