病院機能評価受審結果について

  
  五稜会病院では、平成17年6月20日付けで(財)日本医療機能評価機構が実施している「病院機能評価」の認定を取得いたしました。
  病院機能評価とは、第三者機関である(財)日本医療機能評価機構が、国民の医療に対する信頼を揺るぎないものとし、その質の一層の向上を図ることを目的として実施しているもので、病院の各種機能について客観的にチェックを行い、全ての評価項目について一定水準以上にあると認められた場合に認定証が発行されるという制度です。審査では、「病院組織の運営と地域における役割」、「患者の権利と安全の確保」、「療養環境と患者サービス」、「診療の質の確保」、「看護の適切な提供」、「病院運営管理の合理性」、「精神科に特有な病院機能」の7つの領域で、のべ600項目以上に及ぶチェックを受け、認定を取得することができました。
  当院では、今回の認定取得に満足することなく、今後とも職員一丸となって「信頼される質の高い医療の提供」を目指し、より一層の向上に努める所存ですので、宜しくお願い申し上げます。

  
  平成16年9月28日、29日に受審した病院機能評価の結果について、「審査結果報告書(
05.3) 」の領域別に記載された総括部分を以下のとおり掲載します。

総括

1.病院組織の運営と地域における役割

 病院の理念・基本方針は創立者の精神を生かして明文化され、役割も定まっている。周知の努力はされているが、入院案内への掲載も望まれる。見直しには偏見の除去などの言及も検討されたい。病院管理者・幹部のリーダーシップが発揮されて問題の把握・解決がなされているが、事業計画策定などにあたって各部門の意見を反映する仕組みの明確化が望まれる。情報管理機能については各部門へのフィードバックおよび担当者の確立を図られたい。法令遵守は、療養担当規則の遵守について検討されたい。教育・研修についてはおおむね良好である。QC活動によるサービス改善活動は評価できる。地域との連携、開かれた病院活動は適切である。広報活動についてはより組織的な編集活動を期待したい。

2.患者の権利と安全の確保

 患者の権利と職業倫理についての病院方針は明文化されているが、患者・家族・職員・地域住民への周知努力が求められる。患者とのパートナーシップについて、思春期・ストレスケア病棟での取り組みは評価される。安全確保の体制が整備されているが、看護部門以外での活動体制の強化が望まれる。自殺企図など診療機能に固有な事項についての配慮を十分にされたい。また、安全確保の研修や情報収集についての担当者を明確にされたい。各部署ごとの院内感染の発生と原因菌の感受性の分析、および看護部以外での教育・研修・情報提供体制の整備を望みたい。

3.療養環境と患者サービス

 接遇と案内における対応に配慮されているが、案内の表示や掲示物および外来待ち時間短縮、患者・家族への責任者名の明示などに見直しをされたい項目が散見される。また、意見箱の取り扱いについて検討されたい。院内の清潔管理は適切である。一部建物構造上バリアフリーおよび安全性に欠けると思われるところが散見されるので見直しが望まれる。禁煙・分煙への配慮はおおむね適切である。トイレ・浴室については安全性への配慮をより十分にされたい。災害時の対応についてはおおむね良好だが、大規模災害時の食料備蓄について再検討されたい。

4.診療の質の確保

<診療体制の確立と各部門の管理>

 貴院の診療機能からは、精神科リハビリテーション部門の専門職種の増員が望まれる。診療目標が院長を中心に幹部職員で検討されているが、具体的目標を明文化して職員に徹底されたい。医師の人事評価基準・手順の作成、および委員会活動・研修会への積極的参加が求められる。なお、診療録管理部門の整備を検討されたい。臨床検査におけるパニック値の設定と報告体制の確立を検討されたい。薬剤業務内容に比べ薬剤師が少ないと判断される。救急当番日の専任医師の配置や薬剤師・PSWのオンコール対応が望まれる。栄養部門の栄養指導へのさらなる取り組みを望みたい。リハビリテーションの成果は評価されるが、部門としての位置付けを検討し、診療機能の柱としてのさらなる充実を図られたい。訪問看護の計画・実施・記録は良好であるが、医師・診療部門スタッフの積極的参加を検討されたい。

<適切な診療活動の展開>

 主治医は明確にされ病状に見合って回診している。患者・家族の意見・要望の診療録への具体的記載が望まれる。入院同意書・告知書のコピーを診療録にファイルされたい。入院診療計画の見直し・変更についての説明・同意の記録の徹底を望みたい。病棟薬剤管理には薬剤師の積極的関与が望まれる。精神科リハビリテーション計画の患者・家族への説明・同意の確認を徹底されたい。痺痛の軽減およびQOLへの取り組みは評価できる。救急カートの早急な整備が望まれる。療養の継続については、PSWによる患者・家族への対応はおおむね良好であるが、多職種によるカンファレンスへの他職種スタッフの参加と指導の実施が望まれる。訪問看護体制は良好である。診療部門のカンファレンスは定期的に実施され記録も良好であるが、医師・診療スタッフの積極的な参加が望まれる。

5.看護の適切な提供

<看護体制の確立と組織管理>

 看護部門の組織は病院理念に整合しており、適切に運営されている。病棟特性に応じた人員配置は適切である。看護部責任者の病院経営会議への参加および他の部門・職種との業務分担・連携について再検討し、役割ごとの業務規程の充実を図られたい。また、専門的知識に基づく看護ケアができる人材の育成も図られたい。

<適切な看護活動の展開>

 看護の実践と責任体制については、看護を必要とする人に適切な看護が実践されている。実践記録については病状変化への対応や患者・家族の意見への説明など、記録が不十分なものが散見される。看護計画の見直しについては文書による説明をされたい。検査の実施への関わりは適切である。薬剤投与については、緊急時の手順を検討されたい。食事指導やリハビリテーションの実施については、栄養士・医師・理学療法士などとの連携の充実を図られたい。看護の継続性の確保については適切であるが、記録の充実が望まれる。今後他職種とのカンファレンスの積極的な開催を期待したい。

6.病院運営管理の合理性

 人事管理については諸規程が整備され、法定人員は充足されている。しかし、業務量から判断して、作業療法士・放射線技師・薬剤師の採用について検討されたい。人事考課は始めたばかりであり、今後に期待したい。職員の安全衛生管理は適切である。財務・経営管理についてはおおむね良好であるが、監査体制について検討されたい。医事業務は適切に行われている。病床管理はより組織的な取り組みが望まれる。施設・設備については担当者が明確で保守・点検も良好である。給食設備の衛生管理について、調理室の温度管理および配膳までの時間短縮について検討されたい。病院の保安体制および廃棄物管理についてはおおむね適切であるが、記録を十分にされたい。薬剤など物品の購入について、事務部門が関与したシステムの構築が望まれる。また、棚卸しの年2回実施について検討されたい。業務委託については適切である。訴訟などへの対応は担当者が明確にされており適切である。

7.精神科に特有な病院機能

 精神保健指定医による入院決定は適切である。任意入院については同意能力の状況の記録を明確にされたい。医療保護入院・措置入院の継続の妥当性を定期的に多職種により検討されたい。とくに、措置入院については病院管理者による把握・指示を含めて妥当性の検討体制を早急に確立されたい。病棟環境の配慮についてはおおむね良好だが、電話利用におけるプライバシーの確保について考慮されたい。隔離・拘束については妥当性を定期的に多職種で検討されたい。入退院における事務手続きは適切である。作業療法開始時の説明と同意書の明確化を図られたい。預り金の管理体制は良好であるが、今後、個別管理の徹底を検討されたい。身体合併症治療体制は診療機能に見合ったものであるが、病棟への救急カートの早急な整備が望まれる。思春期・ストレスケアの実施による他医療機関の支援は高く評価される。                

平成17年6月20日 「精神科病院」v.4.0 で認定

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