研修・研究
 

   

 五稜会病院看護部では患者の皆様の回復に貢献できる、より質の高い看護を提供するために、院内外の研修参加を積極的に取り組むとともに、毎年、数例の演題を定期的に学会で発表しております。


過去3年間の看護師が中心となって行った看護実践の研究発表

 年度 発表テーマ 学会名 開催地 演者
2009 成人してから知的障害が判明した患者に対する関わり 9 北海道病院学会 札幌 和田加奈子
対人不安の強い思春期患者への看護−安全感の形成と適切な感情表現を育む関わり− 37 日本精神科病院協会学術集会 香川 斉藤牧子
長期療養者に禁煙成功をもたらした取り組み目的意識の明確なSSTの効果 37 日本精神科病院協会学術集会 香川 松田幸枝
2010 精神科における看護師全員参加型の事例まとめ研修の取り組み−3年間の変化に焦点を当てて− 30 札幌市病院学会 札幌 若松るみ
役割拡大を目指す精神科外来の看護 看護カウンセリング外来の創設   北海道看護研究学会 札幌 八木こずえ
精神科急性期治療病棟における転倒の実態の変化と課題 10 北海道病院学会 札幌 藪内裕介
地域との繋がりを大切に育ててきたボランティア活動-メンバーに見られた意識と行動の変容- 15 日本デイケア学会 仙台 山田寿代
改善困難なむせこみ患者への嚥下体操の試み−効果を共有する場の大切さ− 38 日本精神科病院協会学術集会 富山 後藤小百里
2011 精神科における思春期広汎性発達障害患者の看護関わりの困難さと親子関係の改善を試みた経過を振り返るー 31 札幌市病院学会 札幌 本多健太郎
支援の継続が困難な事例を通して訪問看護師の役割を考える 11 北海道病院学会 札幌 高島美香
看護カウンセリング外来による療養支援〜多面的ニーズの充足を目指す取り組み〜 39 日本精神科病院協会学術集会 札幌 伊藤文美
思春期うつ病患者の看護〜他責で葛藤が強くみられたケースからの学び〜 39 日本精神科病院協会学術集会 札幌 横山さやか
 

☆これらの学会発表の後押しをしているのは、精神専門看護師をリーダーとする看護教育委員会が主催している事例研究の取り組みです。

☆この事例研究の取り組みは、五稜会病院に勤めるすべての看護師が1年間にかかわった事例の中から、自らの看護を振り返って数枚のレポートをまとめるもので、2008年度から開始しました。

☆ 最初は「自分の看護の実践を文章に表すことがとても難しい」と話す看護スタッフも多かったのですが、年を経るごとに表現力の向上や考察の深まりが見られ、以下のような感想が聞かれるようになりました。
「事例をレポートにしてみて、患者さんの本当に必要としていたことが見えてきた。」
「自分の課題や成長点が見つけられた」
「自分のストレスの原因が発見できて楽になれた。気持ちが前向きに変わった」

☆これらの事例の中から、これからの看護のヒントになるような内容が表現されているものを、学会発表という形で積極的に発表するよう、学会支援委員会で支援しています。

☆五稜会病院には修士課程や博士課程を修了し、専門的に看護研究の手法を学んだスタッフもおり、より専門的な看護研究にも積極的ですが、最も大切なことは、1人でも多くの看護スタッフが自らの看護と研究的に向き合い、新たな発見や気づきを得て、自分の看護を一歩前進させる機会を持つことだと考えています。

☆精神科のような、個別性が高くさまざまな要因が絡む治療分野では、どのような看護の実践が、どのような場合のどのような患者様に効果的であるのか、一定の法則性として結論を導き出す事は大変難しいことだといわれています。しかし、丁寧な事例研究の積み重ねを行うことによって、「エキスパートだけのコツ」や「臨床のカン」と言われてきたものを、一定の法則性としてつかみとり、他の看護スタッフの成長にも生かせるような知識に換えていくことができるのではないでしょうか。

☆ 日々の実践の中で「精神看護の臨床のカン」を養い、自分の看護の根拠を深めていくためには、問題意識を持って創意工夫を重ねる事や看護経験を文章にまとめて発表するなど、看護研究に取り組むことが力となります。そのために、五稜会病院の看護部では創造性や発展性を刺激する研究的風土の醸成を目指していきたいと考えています。

☆今後も研究的な看護実践の取り組みを続け、患者様に寄り添った看護の向上を目指すとともに、1人ひとりの看護師が自分の実践に対する研究的な態度と知識を培い、成長感を実感できるよう支援していきたいと思っています。

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